良くて悪くて悪い感じの「いつもの」アメコミの実写化 「スーサイド・スクワッド」
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何も情報量がない感想なら簡単に言える, 例えば「一生ハーレ・クインのケツでも見てろ」とかね. でも, 情報をもたせようとすると途端に困ってしまうんだ. いや, だって面白いのか面白くないのか, 僕が何を書きたいのか, 書くべきなのか, なんにも判断ができないんだ.
これは困った. 困りすぎて半日記事を書き出すことさえできなかった. ていうかこの文章を入力している現時点で書き終えられる気がしない.((書いているうちに, 脚本にそもそも問題があるということに気づけたのでなんとかなったが, しかし今回は結構書くの大変な記事になった. 何かを否定するのはとても難しい, 僕には簡単じゃないことだよ.)).
Introduction
はい, 今日もやっていきます. 今日 9⁄10((記事を公開するころには日付が変わっていると思うけれど))は映画「スーサイド・スクワッド」の公開日でしたね. 以前も言ったように今年の映画でトップクラスの期待をかけてこの映画見に行きました. 数日前に席をとり, 生活リズムを矯正する意味もかねて頑張って早起きし, 初めての 3D 映画にワクワクしながらシネマでひとりで待っていたわけです. WarnerBros のロゴや IMAX のスタートのカウントダウンがスーサイド・スクワッド仕様になっているのを見て嬉しくてたまらなくなるわけです.
そんだけ期待して行ったんですけど, 期待通りの映画でもあったんですけど, もし友人と行っていたら, 終わったあとの第一声はきっと, 「どうしようかなぁ」 だっただろうなと思います. その意味で友人と行かなくてよかったかもしれない. この映画, ちょっと考えまとめるのに時間が必要でした. それもぼーっとするだけじゃなくて, 一本間に映画挟んで適切な刺激を与えないと整理つかなかったレベルで.
僕は相変わらず前情報を持っていなかったけど, 「スーパーマンは死んだ」と言われた瞬間に「これアメコミか!」と悟れるほどの空気を読む能力はあって, どんなありえない能力が出てきても文句をつけないスイッチはそこで入ったし, ガバガバな政府の対応, あまり緊張感のない「世界の危機」もまぁ想定の範囲内. いろいろ都合よく物事が進むのもアメコミだから全部許そうって思えてしまう. ちょっと, ズルいなとも思うねこの辺. アクションシーンは申し分ないし, 炎の力完全にチートだし, デッドショットの地味だけど確実な殲滅がすごすぎるし, ハーレ・クインは暴れてるだけなのに見入るし, 悪役のキャラは立って普通に楽しい. いつものアメコミ映画が存分に楽しめて十分満足なはず……なんだけど.
何かが違う. 何か, 何かがこの映画の魅力を欠いている. おそらく足りないのではなく有りすぎるのだと思う. そんな気がしている.
相変わらずまえがきにものごとを書きすぎてしまう, 僕の悪い癖((杉下右京の声で再生してください.)). そろそろ本題に行きましょう.
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Summary
悪をもって悪を制す.
スーパーマンは死んだ. スーパーマンはいないが, アメリカには超能力を使える超人間(メタヒューマン)は善悪を問わず存在していた.
米政府の高官アマンダ・ウォーラーは, 「スーパーマンがもし米政府に対しテロを起こしていたら?」 などとプレゼンをし, 「悪人のみで構成された部隊」を組織する.
- 最高の暗殺者 デッドショット
- Crazy Girl ハーレイ・クイン
- 小悪党ながら腕は一流 キャプテン・ブーメラン
- 悲劇の人間火炎放射器 「エル・ディアブロ」
- 「地下は俺の庭」, ワニ人間 キラー・クロック
さらに, 正式なメンバーではないが魔女 “エンチャントレス” が寄生している考古学者ジューン・ムーン博士を加え, タスクフォースX として結成された.
ところが, 隙をつかれ魔女エンチャントレスが離反, 魔女とその弟の手によりミッドウェー・シティが占拠されてしまう. 死の街と化したこの街に, 要人の救出という任務で向かうのはタスクフォースXの面々.決死部隊(Suicide Squad)の行く末は果たして?
補足 1
カタナという女性剣士がいて, 彼女もタスクフォースXの一員としてミッドウェー・シティに行く. しかし彼女は悪人ではなく, むしろ悪人たちが逃走や反乱を起こしたときに対処する側の人間である.
補足 2
ハーレイ・クインには恋人がいて, ジョーカーという. このジョーカーはタスクフォースXの作戦中にハーレイを救おうと企んでいる. 魔女とは関係ないけど面倒くさいやつ.
Impression
「一生, ハーレイ・クインのケツでも見てろ」(2 回目)
これで終わってもいいけど, このブログでやりたいことはとりあえず自分がつまらなかったという理由で酷評することでも, 逆に何も考えないで絶賛することでもないので. やりますけど, やりますけど……この映画酷評されるんだろうなぁ. そして僕も考えをまとめるにつれてだんだん批判成分が強くなっていくんだろうなぁ. それが少し悲しい.
脚本が無駄に複雑
書いてみて思ったんだけど, 無駄に複雑な話ですねこれ. 事件はひとつしか起きていないのに, 登場人物がそれなりに数が居て, その各々に中途半端なエピソード(良い話だけど同情はできないって感じの話だったり, 感情移入するには扱いが短すぎたり)を大量に挿入され, 最終決戦の前なんかもう飽きたよって感じ. でも脚本的にはうすっぺらくてもそういうエピソード入れておかないと最終決戦での心理攻撃が理解できないようになっていて, 勘弁してくれっていう.
最後のほうにいろいろな施設が破壊されたりするけど, どんな施設かよくわかんないし(時間がなかったのか諦めたのか……)なんかそういう描写必要だった? 確かに〇〇は居るけどその描写につなげる必要あった?? なんか無駄なシーン多くない? そのくせワニ男がいかにしてワニになったのかは一切触れないのも変じゃない? なんかアンバランスなんだよな.
あまりにもアメコミらしすぎる
おそらく最大の違和感はコレ. アメコミらしすぎる. 「悪党を使わないとだめ」, 「既存の正義の方程式は通用しない」などと言っておき((作中では言われていないけれど宣伝では言ってた.))ながら悪党を使わないとダメな理由はすごい薄っぺらい((一応ネタバレと判断して書かないけれど仮に書いたとしても誰も怒らないだろうなってくらいペラッペラな理由.))し, 良くも悪くもアメコミらしいベタベタな展開. なんか突然すごい強い敵が現れて, その敵を能力者がやっつけるという構図, 勝ち方はスーパーマンやスパイダーマンとかで経験してきたものとほぼ同じ. 同じだからという理由で批判する気はないけれど「悪党を採用した意味は?」と疑問を呈したくなる.
要するに, 「情報量が多すぎるし, 深みがないからなんかストーリーにノレない」上に, 「悪党を使ってアメコミ映画やっているのに, 普通の正義のヒーローでアメコミ映画してんのと変わらない」って感じ. これが「アベンジャーズ」ってんなら「そういうものだから」許せるけど, これじゃあ決死部隊どころか「表には出てこない正義のヒーロー」なだけですよ. 特に彼はまるで改心したかのような素振りしちゃうし((これはきっと根っからの悪役はやりたくないとか何かしらの事情があったんだろうなぁ. かといって彼だけすごく改心しちゃったから浮いちゃう.)).
でもコレは逆にいうと僕らがアメコミ映画に期待していることなわけで, それを責めるのもちょっとなと思う自分が居る. おそらく「悪役」が出動する必然性がない, というのがこの映画の最大の欠点で, そこさえクリアしてれば普通のアメコミ映画だし普通の評価になったと思うんだよな. この点についてはもう脚本が悪いというしかないですね.
真面目かよ
大悪党のみなさんがお酒飲んで語り明かして, 「戦おう」ってなってどうすんだよ. あんまりいうとネタバレになりそうだけど, 上にも書いたうすっぺらいペラッペラな理由で任務に従事させられていることを認識して, 大佐を放置して悪党たちだけでマスターのいないバーで酒を飲んで昔話とかをしだすのだが, 何を大真面目にシリアスに語っとんねん. そして結論が「やっぱり戦う」ってなんやねんホンマに. 悪党なら悪党らしく, 「聖書に載りたい」じゃなくて「死にたくない」で通してほしかったなぁ. なんか, 興醒め.
アクション・シーン
ストーリーの話はこれくらいにしておきましょう. アクションの話です.
これはね, さすがアメリカ予算があり銃が撃てる, コレに尽きる((本当に撃っているのかは知らないけれど.)). 日本だったらこういうの無理だろうなっていうのをガンガンやってくれるので, こういうカタルシスは洋画を見るときの醍醐味. デッドショットが一ミリの狂いもなく同じところに射撃を続けるせいで穴があくシーンなんかはみてるこっちまで楽しくなってくる. ジョーカーがヘリを乗っ取り攻撃してくるシーンなんて楽しさ以外の何もない. アクションではほぼダレてないので文句言うことはあまりないです.
ブーメランとか狙撃手とか地味だけど画は良くなるのかな? なんて思っていたけど, ブーメランはちょいちょい活躍するし, 狙撃手だけど近接射撃もべらぼうにうまいし, ハーレイ・クインはバッド振り回してるしショートパンツだからケツが見えそうになるし, 「一生, ハーレイ・クインのケツでも見てろ」(3 回目) ってことです. はい. 最終決戦でエル・ディアブロが男を見せるシーンなんかは結構感動はしないけれど応援したくなりました.
音楽
あまり印象に残るサウンドはなかったですね. 逆に言うと悪い印象を与えたものはなかったので, それはそれでまぁ結構なことなんじゃないかと.
下にも書くけど, Bohemian Rhapsody を聴こうと思ったら切られたんだけど, 全部許せた. サントラは既に発売中.
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Detail
個人的に気になった細かい話をね. てきとうに書くよ.
英語の中の日本語
ハリウッド映画で日本語をしゃべるキャラが出てきたのは普通に初めてだった気がする. ちょっとおもしろかったですね. 違和感があったけどこの違和感は日本人だからというより僕だから感じたものだと思うのであまりとやかく言いませんが. どうでもいいですが, 僕は字幕で見たんですけど彼女のセリフには日本語字幕はついておらず, 英語字幕がついてました. 当たり前ですね.
ラスト
この映画スタッフロールとスタッフロールの間にシーンがあるので注意しましょう. スタッフロール始まったからってすぐ席立つとダメですよ. つまんなかったからもういいよって人は話し別ですが.
ていうかラストで Bohemial Rhapsody 流れてきてエンドロールかぁなんて思ってたら, 突然やつが○○○○を○○させにきて最高. このシーンが一番カタルシスがあったので, 個人的にはこのシーンだけでわりといろんなことが許せたなぁと思います. あと続編やりたそうな雰囲気出してたけど, 今のままならやらないほうがいいぜぶっちゃけ, とはさすがの僕も書いておくよことにします.
Conclusion
「一生, ハーレイ・クインのケツでも見てろ」(4 回目)
ぶっちゃけこの程度なら, 主人公がスパイダーマンで「敵」は今作と同じで, 救うべき要人の代わりにスパイダーマンの中の人の密かに好意を寄せてる女の子にしたら十分スパイダーマンになったと思うし, もっとちゃんと脚本書いてくれ. マジで. 下手するとこの戦い「バッドマン」だけで済んだんじゃない?
でもアクション個人的には楽しかったんだよなー許したくなっちゃうんだよなー, はぁなんて僕は甘いんだ((衝撃を受けたのだが, これで 5,000 字くらい書いているらしい. 面白くないと思っているのにこんなに長々文章を書いてあげるなんて本当に甘い.)).
Appendix
入場者特典でポスターもらいました. シン・ゴジラのパンフレットは比較用です(パンフレットのサイズは A4).
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人生で一度も部屋に何かポスターを貼ったことがないので貼ってみようかしら, などと思ってみたり.